あなたといっしょに生きること
Marriage for All
おはようございます。子供たちがLEGOで遊ぶ部屋で書いています。今、エルサ姫がジェダイになって、ダースベイダーに決闘を申しこんだところです。臨場感あふれる「インペリアルマーチ」が鳴り響き(7才児鼻歌)……
お知らせ
さて、今週はまずお知らせがあります。エマ・ドナヒュー著『聖なる証』の書籍情報が公開されました。
タイトル:『聖なる証』
著:エマ・ドナヒュー
訳:吉田育未
マグノリアブックス/文庫
価格:1,320円
ISBN:9784775530139
出版社:オークラ出版
刊行日は4月20日前後になりますが、お好きな書店さまでご予約いただけるとうれしいです! 現在、ゲラ作業を頑張っています。
また、来月にクロスメディアパブリッシングから『TIME OFF 働き方に“生産性”と“創造性”を取り戻す戦略的休息術』という書籍も刊行されます。こちらは「ローリングホフ育未」という訳者名で刊行される予定です(『痩せる脂肪』『ブランドストーリーのつくりかた』という作品もこちらの名前で訳しています)。
いっしょにいること。
さて、先週はマイケルとの12回目の結婚記念日でした。付き合い始めて14年。わたしはまだ学生で、彼も契約社員で将来の見通しなどなにもなかったけれど、彼のことがすごく大好きで、心から尊敬できたし、この人といっしょならいっしょに成長していけそうだなと思いました。
わたしは母子家庭で育ち、あまり「家」というものに良い感情を持っていません。戸籍のせいですごく怖い思いもして、戸籍なんてなくなればいいと思っています。だけど、「外国人」のマイケルといっしょに生活し、国境をこえて移動するためには結婚するのがいちばん簡単だった。あのときのわたしは、そう思えること自体が特権なのだと、まったく気づいていませんでした。
日本から流れてくる、同性愛やLGBTQの人に対するあまりにも醜悪な政治家の差別言説にふれるたび、はらわたが煮えくり返ります。そして同時に、わたしとマイケルがもし同性カップルだったら、いっしょに過ごす14年間はどんなものだっただろうと考えずにはいられません。「外国人」であることで受ける差別はわたしもマイケルも経験しているし、アジア人や女性であること、母子家庭で育つこと、貧困家庭で育つことなどに伴う、さまざまな経験があるけれど「その人と結婚することはできない」と法的な承認、保護や権利を拒否された経験はありません。
わたしの家族にはものすごいレイシストがいて、マイケルとの結婚は反対されました(わたしの祖父は原子爆弾で家族全員を亡くしており、そこからいろいろとあるのですが、その話はまた気が向いたら)。だけど、それと国家が結婚を禁止することとはまったく次元が違います。次元が違うはずなのに、政治家たちの発言はあまりにも差別的で無茶苦茶です。これをヘイトスピーチと呼ばず、なんと呼べばいいのでしょうか。
マイケルと国をまたいで14年間暮らしてこれたのは、自分たちがお互いを思い合う気持ちや努力ももちろんありますが、それ以上に「法的に認められた関係として守られていた、権利を認められていた」部分がとても大きい。今の日本社会で外国籍のパートナーと生活を築く場合は、なおさら重要な要素だと思います。そして子供を育てようと思うとき、その決断をするときも欠かせない。
わたしはさっきも言ったように戸籍制度自体失くすべきだと考えています。だけどその前に、ちゃんと同性婚を法制化しなければならないと思います。同性婚が当たり前のカナダに住んでいると、日本から流れてくる情報があまりにも辛く、心が苦しくなります。当事者の傷つきや法制化されないことでこうむる実害はいかほどだろうと思い、やるせない気持ちでいっぱいです。
マイケルといろいろ話し合い、結婚記念日にはお互いへのプレゼントはしない代わりに、
マリッジフォーオール・ジャパンに少額ですが寄付することにしました。
ずっといっしょにいたいと思える人と出会えたという奇跡を、みんなで応援する社会のほうが、ずっといいです。子供たちが希望をもって人を愛せる、生きていける社会になってほしいです。
いよいよですね。近々予約開始しますー!