おはようございます! わたしは今、SAGA、佐賀にいます!!
見よ! この平らな大地を!!!
自転車でどこまでもいけるんだぞ!
先日、寝かしつけをしていたら、
「マミー、お熱はないけど病気になっちゃった。おともだちに会えなくてさびしい病気だよ」
と3歳児に言われ、号泣してしまいました。子供を連れての引っ越しは、大人だけの引っ越しとはまったくちがう辛さがあるなあと、実感しています。
今、実家にいるのですが、母が膝を骨折して入院し、実家にいるのにだれもいないという不思議な状況です。マイケルは香港出張中なので、わたしは子供たちが遊んでいるのを眺めつつ、仕事をしています。先日、『聖なる証』の告知をしましたが、そちらの訳稿は終わっているので、次の作品。今まで訳した中でいちばんページ数が多い。けれど、ずっと訳したかったテーマの小説なので、あっというまに終わるのだろうなと感じています。そのあとにも素晴らしい作品の翻訳が控えているので、悲しい気持ちはありつつ、来年の夏まで物語世界に浸り続けていられる展望に、足を動かし続けていられます。
悲しいとき、わたしは詩を読みます。最近読んだもので、好きだった作品の冒頭を紹介します。
Tonight, as you walk out
into the stars, or the forest, or the city,
look up
as you must have looked
before love came,
before love went,
before ash was ash.こんや 歩みだすとき
星々へ 森へ 街へ
見上げてほしい
あの頃のあなたが、見上げたように。
愛が来るまえの
愛が去るまえの
灰が灰になるまえの、
あなたが見上げたように。
この詩は、ジョセフ・ファサノさんという詩人の「Letter」という詩です。
一行目と二行目の訳文、ひっくり返したい気もするんだけど、みなさんだったらどうしますか? 黙読するとひっくり返したほうがいいんだけど、音読すると英語と同じ順序のほうがリズムが生まれる気がする……。(全文こちらから読めます)。
わたしは詩(や美しい文章)を読むと、心がふっと軽くなります。そして少しでもいいから、その言葉を書き写したり、訳したくてたまらなくなる。ときどき止まらなくなって、小説1冊訳したりするときもあります。
わたしにとって、それは一種のセラピーのようなものです。ただ、やっぱりどの作品でもいいかというとそうではなく、合う合わないがあり、ぜんぜん訳したくなかったり、訳そうと思ってもまったく言葉が出てこないものもあります。そして詩は、訳せば訳すほど沼にはまるのです。どうしたって正解には、たどり着けないような……。
短い詩をみんなでいっしょに選んだり、訳したりする会とか、やりたいですね。
詩といえば、わたしはずっと、アン・カーソン著『赤の自伝』(小磯洋光 翻訳)が読みたいのです。実は、カナダにいたときから、この作品は日本で翻訳されたらいいなあと思っていました。でも、詩の翻訳って刊行がとても難しいと聞いて、わたしはトライすることもしなかったんです(力不足だという認識もありました)。それを翻訳家の小磯さんが実現させたと聞いたときは、心臓が止まるかと思うほどうれしかったです(小磯さんの詩の翻訳、とても好きなのです)! 手元にあるんだけど、まとまった時間が取れず。これも読書会とかしたいですね。みんなで順番に朗読する会、みたいなのやりたい。
みなさんはどんな詩が好きですか? 取り上げてほしいものなどあれば、コメントで教えてください。また、「この『Letter』をわたしならこう訳すよ!」というのも気軽に書きこんでみてください。
それではまた来週です!