あたりまえの、あたりまえではない日々
all these precious moments
ノートで7歳児の絵を紹介したら、思いのほか反響があったので、10歳児のも紹介します。どちらも、古代エジプト展を鑑賞したあとに描いた絵で、現在香港大学のギャラリーに(なぜか)展示されています。
10歳児のコメントは「スフィンクスが大好きなんだけど、大きいのをかくのは大変そうなので、小さいのにしました」。
読んだとき、吹き出しました。ほんとにあの子らしい。
7歳児は青いカバの絵を描いて。コメントは、
「エジプトの青いカバをわたしはかわいいと思ったけど、古代エジプトの人たちにとってはすごくこわいものだったんだってさ」
読んだとき、ほほえみました。めっちゃかわええ。
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さて、先週からフルタイムでの勤務が始まりました(先月末に内定をいただいていた)。希望していた教育関係の仕事です。しかし物事は重なるもので、映画の字幕翻訳の締め切りと、バンクーバーでのシンポジウム発表(オンライン)がぜんぶ同じ週で、しかもマイケルはバンクーバーで学会発表(こちらは飛行機でいったよ)のために週の真ん中から不在。週末は小学校の親子ふれあい活動というハードスケジュールでしたが、やりきった!!
フルタイム勤務になり、平日に子供たちと過ごす時間が減ったので、週末は全力で子供たちと遊びました。
今日は茶果嶺(チャー・グォ・リン)村へ。公的に発表された立ち退きの日からもう半年ですが、だいすきな鏡おじさんのカフェはいつもと変わらず開いていて、おじさんはいつもと変わらずににこにこ迎えてくれる。「ここが取り壊されたら、もう香港にいたくない」と10歳児がいうくらい、わたしたちにとっては大切な場所になっていて、もうずっと取り壊しの日なんて来なければいいと祈るような気持ちです。
昨日は、塩田仔(イム・ティン・ツァイ)というある島に行きました。その名の通り、製塩業がさかんだった小さな村。ムツゴロウがマングローブのあいだをぴょんぴょん跳んでいて、塩田も残されていて、香港とは思えない景色が広がっています。なぜそこに行ったかというと、この島が客家(ハッカ)の人たちの島で、伝統的なお菓子の「茶果」をつくるワークショップに参加できるときいたからです。
わたしたちの大好きな村「茶果嶺村」の名前にある「茶果」はまさにこれで、このお菓子に使用される植物がこの村にはたくさん自生していたためにその名前になったとか。茶果嶺村はもともと、客家の石工たちによってはじめられたコミュニティだといわれています。
このお菓子にはいくつもの種類がありますが、今回は雞屎藤(ガイ・シー・タン)という植物を使用するものを習いました。広東語を直訳すれば「鳥の糞草」、和名はヘクソカズラ。英語ではスカンク・ベインと、とにかく臭いんだってことはなんか、分かるよね。これを細かく砕いたものを水と混ぜ、そこに白玉粉と赤糖を入れてこねます。白玉団子を作るのとほぼ同じ。そして中に包むのは、ピーナッツとゴマをくだいた粉状のフィリングです(ほんとに粉々)。包んでから10分ほど蒸してできあがり。緑色だった生地が黒くなります。けっこう漢方臭いというか、苦みがあって癖のある味だったけど、子供たちはおいしいおいしいと、すごい勢いで食べていました。
聖ヨセフ教会堂や客家の古い家、美しいビーチなど、まだまだ見たいところがあったし、釣りができそうなところも多かったので、今度はマイケルも一緒に戻ってこようと思います。
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子供たちの学校には、さまざまな国籍な子供たちがいます。戦争などのとらえ方もちがうし、さまざまなナラティブをいろいろなソース(メディアに限らず家族など)から学び、それを学校でシェアします。親の口調をまねて周りの子を攻撃したり、差別的なことをいう子もいます。子供たちには、よく聞いて、家に帰ったらマミーやダディに教えてね、と伝えています。平日の夜はどうしても、そういう話になりがちだったけど、週末にたくさん笑顔が見れてよかった。
目の前にいる人、今暮らすことができる土地、縁があって出会えるさまざまなものを、しっかり見て、考えてほしい。自由に絵を描いて、思った通りに言葉にしてほしい。
さて、明日からまた新しい一週間です。フリーランスの仕事もいくつか締め切りがあり、書きたいこともいっぱいあり、フルタイムの仕事も、釣りもピラティスも、よくばりたいだけよくばってやっていきます。わたしも、縁あってこの子達に出会えたから、すぐそばで、日々を大切に生きていきたい。
いっしょにいる、穏やかな時間が、ほんとうにぜいたくで、しあわせで、当たり前ではないのだと、強く感じる毎日です。





