12月1日開催の東京文学フリマ39に「Maggie’s Pie」という名前で出店します。
会場 東京ビッグサイト 西3・4ホール
開催日時 12月1日12時から17時
入場料 1000円
ブース番号 M-23(Maggie’s Pie マギーズ・パイ)
今回は、自分で作ったZINE「マギーパイ」の販売と、香港の本をシェアすることが主な目的です。香港の本は、香港で独立書店「藝跡文化 Mi Spacium Culture」を営むミシェルといっしょに選びました。明日(わわ、もう今日だ)、アイテムリストをお送りするので、もし「これは欲しい!」というものがあれば、早めに教えていただけると助かります!(スーツケースに優先して入れます)
マギーパイ (価格はたぶん800円から1000円くらい?)
アイテムリスト公開の前に、わたしのZINE「マギーパイ(Maggie Pie)」の話をします。まずは目次の公開です。
表紙 パイバード(リノカットbyわたし)
①マギーとの出会い
②シックスペンスのうた(マザーグース)※翻訳詩
③マグパイ・ラブ・ノート ※ドーラ・プリエト著 翻訳詩
④パイについてのイディオムリスト
⑤エリック、ザ・ウェイフ(第2章マグパイ宿にて) ※エマ・レスリー著 翻訳短編
⑤マグパイからの手紙※ブルームズ・フィールド著 翻訳詩
⑥スズメからの返事※ブルームズ・フィールド著 翻訳詩
⑦マグパイのかぞえうた※著者不明 翻訳詩
⑧パイの数え方
⑨ガザの若者は死の夢を見る※モハマド・アルクラン著 翻訳詩
⑩タマレ・パイのレシピ(1918年米国政府配布レシピ翻訳)
⑪階段パンク
⑬それで、マギーってだれ?
ぜんぶで40ページ
このZINEのコンセプトは「パイ」です。パイは一切れ一切れ、おいしく単独で食べれますが、すべてのピースが集まってひとつのパイです。それと同じように、このZINEに収録されている作品はひとつひとつどこから読んでも楽しめますが、全部がまるっとつながっている、そういう作品を目指しました。そして何よりも、コーヒーや紅茶と一緒にパイを食べるような感覚で読める本にしたかった。
(今書きながら気づいたけど、目次の番号が間違っている……。印刷前でよかった……!)
翻訳以外は、わたしが書きました。
とにかく思うままに「テキストであそぶ、翻訳であそぶ、ランダムにあそぶ」をモットーに作ったけれど、作ってみるとけっこうくっきりとしたテーマが浮かび上がってきて、自分でもびっくりしました。すごく奇妙な本なので、読んでくださる人がいるのか分からないけれど、読んだ人がどんなふうに受け取るのか、とても興味があります。
このZINEは、ずっと看病と育児に追われ続けてきた自分が、香港という土地で新しいことに飛び込む過程で、古いコートや背負っていた荷物を思い切って手放した結果、できた本です(自分のことはほぼ書いてないけど)。
裏テーマは「パイバード」なのですが、パイバードというのは、パイを焼くときにパイのクラストに突き刺して中の圧を逃がす道具です。ぐつぐつしすぎてクラストが破けるのを防ぐ道具です。それでふと、思いました。わたしの頭がいろいろなことで煮詰まってぐつぐつするとき、パイバードを頭にぶっ刺したら、どんなふうに鳥が歌うだろう。勢いに任せて熱い息を出してみたら? だから、ちょっと怒ってる感じもするかもしれない。
それから、拙訳書『喉に棲むあるひとりの幽霊』を訳す中で、著者に背中を押してもらったことも大きかった。「では、それは何のために?」作中で詩人を追いかける著者に看護師がかける問いかけですが、「何のために」もならないことを追求することでしか得られない何かが、わたしにもあります。
「マギーとパイとマグパイ」の本を作るって、何のために?
何のためかは分からないけれど、わたしはずっと「マギー」を探していたから、やっと最初の一冊がつくれて、とてもうれしい。そして今回、ZINEを作る中で、そして文フリに行く準備をする中で、ほんとうに多くの人とつながり、インスピレーションをもらいました。大好きな人たちと作れたのが、うれしかった。東京でも、すてきな出会いがありますように。
なんだかまとまらない文章になりましたが、今日の夜にアイテムリストを共有します。ご確認いただき、お買い求めいただける本がありましたら、教えていただけるとうれしいです。どうぞよろしくお願いいたします。
連絡先 ikumiyr@gmail.com
もしくは instagramからDMでも大丈夫です。
※来週くらいに、「マギーとの出会い」をこのメーリングリストで公開したいと思います。
※マギーパイは、PDFでオンライン公開、ポッドキャスト番組で音声読み上げなど、遠くにいる人や紙のZINEにアクセスできない人にも読んでいただける工夫をしたいと思っています。