天候に左右された数週間が終わったかと思ったら、今度はみんなで風邪をひいてしまいました。
マイケルの誕生日に、子供たちと地下鉄を乗り継いで彼の職場がある駅にいき、そこからみんなで飲茶を食べにいき、甘いもの屋さんへ。ずっとドリアンを食べてみたかったので注文したのだけど、硫黄というか溝みたいな不快な臭いで、一口食べたらなんだろう……玉ねぎ? クリーミーで甘い玉ねぎ??? と頭が大混乱し、そうこうしているうちになんだか寒気がしてきて、家に帰ると発熱していました。
ドリアンは体調がいいときに再チャレンジしたいです。
で、そのあと2日間くらいでわたしは治ったのですが、マイケルも4歳児も40℃の熱を出し、かなり辛そう。マイケルは今も辛そうにしています。わたしは病み上がり+看病でけっこう疲れていますが、7歳児にはうつらなかったのか、彼だけすごく元気なので本を読んだり、宿題をしたりしています。
子供と読む本
7歳児はノンフィクションが好きで、タイタニックや火山の本をよく選びますが、今読んでいる本はめずらしく自伝です。『The Genius Under the Table』というロシア人作家のユージーン・イェルチンがソビエトで育った幼少期を回顧して記したもの。
レーニンのミイラをみに行く話や、共同アパート(kommunalka)にスパイが住んでいてどう隣人たちが生活をしたかなど、日々の暮らしが子供の目線から描かれています。寝かしつけのときに一緒に読んでいますが、7歳児はどんなことを考えているのかな。4歳児は今、村岡花子訳/モンゴメリ著『赤毛のアン』が好きです。読み聞かせながら、表現の美しさにわたしも心を躍らせつつ、ここの原文はどういう表現だったっけ?と思うこともしばしば。そしてノバスコシア州やプリンスエドワード島が自分にとってとても近い場所なので、懐かしいような気持ちで読んでいます。
今週の詩集は……(あんまり読めてないけど)
①『Stay, Illusion』by Lucie Brock-Broido
②『持ち重り』鎌田尚美著
新しい目標
そして先週、いちばん大きかったのは語学学校が始まったことです。風邪のため1日だけおやすみしたけど、他の日は毎日行きました。すごく楽しいです。トロントで難民高齢者に英語を教えていた時のことを思い出しました。そしてやはりわたしはセトルメントにかかわる仕事がしたいのだなと改めて思いました。トロントにいたときは、子供の発音矯正や言語の観点から言語聴覚士になるための勉強をしており、そこで移民で英語が第一言語でない子供が受ける差別をひしひしと感じました。2020年に東京へ越さなければ、学校に行き直す予定でした。
東京に引っ越して、本の翻訳をはじめ、現時点まで切れ目なくお仕事をいただいています。それ自体はとてもありがたいことだし、翻訳はずっと続けていくつもりだけど、なんせほんとうに稼げないので、メインで続けていくことはやめたほうがいいだろうと、今は考えています。また学校に行き直すことになるけれど、セトルメントに特化したカウンセラーのような仕事につけるように、そちらの道も探り始めました。
面白いのは、東京生活でもエドモントン生活でもどこかに押しやっていた自分のやりたかったことが、言語学校に行ったことをきっかけにぶわーーーっと戻ってきたことです。広東語を学ぶとき、先生は英語で教えてくれます。だけど広東語の漢字は日本の漢字の読みと似ているから、わたしは理解するとき日本語に訳して理解します。広東語を学ぶことで、英語脳と日本語脳がバランスよくまざっていく感覚になります。
度重なる移動とパートナーの看病や家事育児、出版翻訳に従事することのジレンマなどで見えなくなっていた大切なものが、急に見えるようになって、なんだか猛烈にうれしかった。それと同じように、街を歩いていても、聞こえるようになる単語が増え、口をついて出る言葉が増え、少しずつだけどわたしの居場所を彫っているような気持ちになれた1週間でした。
満月に乾杯
1週間の終わりは、ミッドオータム・フェスティバル。マイケルと4歳児は寝てたけど、7歳児とランタンを持って海沿いを歩きました。大人も子供もきれいなランタンを提げて、月を見上げるためだけに外に出ている。なんかすてきですよね。
小舟の明かりもキラキラ。だけどその前の週にヌカカに30箇所以上くわれ、すさまじい痒みに耐えなければならなかったので、長袖長ズボンで行って汗だくになったよ!!!
いつも行く茶餐廳でレモンティーを注文。ちゃんと広東語で注文しましたよ。ここは広東語オンリーだけど、店員さんみんなすごくやさしくて、安心して下手くそな広東語を試せる場所です。居心地がよくて、だいすき。
早くみんなが元気になって、通常運転に戻れますように!!(ゲラも翻訳を進めなければ……)
それではまた来週です!