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お弁
きんぴらごぼう、ホウレンソウとあげのナムル風、サツマイモの大学イモ風が、今週前半の作り置きです。朝起きて卵焼き、メインの肉おかずを作ってつめて、ブロッコリーか枝豆かで緑を足して、フルーツをいれたらお弁当の完成。マイケルには凍らせたレモンティをつけるよ。
市場
食材を市場に買いに行くのはまだ勇気がいります。安いから週1回はスーパーじゃなくて市場に買い出しに行くことにしているのだけど、広東語のみの空間でのコミュニケーションはすごく難しい。身振り手振りしかないです。ときどき売り場の人に怒られているような気がするのだけど、なんで怒られているのかよく分からないので強気で「わたしはこれが欲しいんです」アピールをがんばっています。
市場の片隅に大好きな屋台があって、そこで揚げ豆腐を食べるのがわたしの楽しみです。竹串にさして、お醤油をぱーってかけてくれるのだけど、外はかりっとして内側からは豆腐のやさしい甘さと香りがあふれます。こちらのお豆腐は少し臭みが強いような気がするけど、とてもおいしいです。揚げ茄子の肉詰めや、フィッシュボール、餃子もついつい追加注文して、ひとりでほおばり、おばちゃんとにこにこし合う瞬間があるから、市場もがんばれる。
スクーターと豪雨
語学学校にも契約のために足を運び、子供たちの学用品をそろえるために色々回りました。本当は自転車を買う予定だったのだけど、アパートの駐輪所の空きがなかったので、スクーターにしました(足でけるやつ)。あんまり速くはないけど、歩くよりも速いし、楽です。海沿いの道をぴゅーんって行くのは楽しい。
木曜日の夜、窓を誰かが叩いているような音がして、外を見ると、辺りが真っ白に見えるくらいのすごい雨が降っていました。大雨警報の最上クラスである「黒雨警報」が出され、多くの地下鉄の駅に浸水。道路も冠水しました。翌朝の学校はすべておやすみ。一晩明けて、また雨が降り、子供のサッカー教室も中止になりました。香港ってこんなに雨が多いとは知らなかった!ふたつきほどまえまでは、カナダで山火事の心配をしていたので、なんだか変な感じです。
仕事
香港にきてから一カ月が過ぎ、なんとなくいろいろなことが、整いはじめてきたかな。バタバタしたこの期間に、辛抱強くわたしのスケジュールに合わせてくださった編集者さんたちには本当に感謝しています。やさしい言葉がけに何度も救われました。この状況の中、新しい企画のことが考えられたり、今度はこの作品もどうだろうと考え続けられるのは、また一緒にお仕事したいな、この作品を届けるならこの人とがいいな、と思える編集者さんや校正者さんのおかげです。
そしてこのタイミングで、次に訳入りする予定だった作品の版権獲得の連絡がありました。この作品は数度読んで、自分とのシンクロ度がとても高い作品であると同時に、難易度がおそらく今までで一番高いのではないかと感じている作品です。たくさん勉強して取り組みたいと思います。
今週は本屋さんに2軒行けたのも大きかった。まったく字は読めないけれど、表紙の紙やブックデザイン、帯の有無、本の並べ方など文字ではない情報がたくさん入ってきて、たくさん刺激を受けました。香港のイラストレーターさんとつながれたので、香港でZINEをぜひ作りたい……! ZINEを取り扱っている書店を中心に、遊びに行きたいな。
「慣れる前」に
いろいろ不安なこともあるし、分からないこともあるけれど、「いくみは人に会うことや、新しいことを学ぶことが好きな人だよね」とマイケルに指摘されました。「すごく楽しそうだね」って。そうです、わたしは暮らしのこのフェーズがすきです。この何も分からないフェーズはとても短く、しかもその土地につき、一度しか訪れない!! わたしはは「ノーバディ」なんです。だれもわたしのことは知らないし、わたしもだれのことも知らない。それってすごく不自由だけど、とても自由な状態だとわたしは思います。
市場で顔を覚えられて、勇気なんて出さなくても揚げ豆腐にありつける日もきっと来る。だけど、この自分が透明で、何を期待すればいいのかも分からない状態でしか得られない気づきや、新鮮さもある。この気持ちってそんなに長くは続かないから、大事にしたい。
「お母さん」ネットワーク
子供を迎えに行った帰りに、「パイナップルパン(菠蘿包)」が食べたいからとさ迷い歩き、小さなカフェに思い切って入る。パイナップルパンをひとつ注文しただけなのに、女性店主が子ふたりとわたしをブースに座らせてくれて、レモンティをサービスしてくれる。全然言葉は分からないけど、なんとなく「お母さん、お疲れさま」って言ってくれたんだなって分かる。東京の谷中に越したときも、山手線で子供たちに席を譲ってくれた高齢女性が「お母さんは大変よね。がんばってるね。よくがんばってる」って声をかけてくれたこと、今でもよく覚えてる。エドモントンでも疲れたときに助けてくれた女性たち。
「お母さんはそれだけでもう、疲れるんだから、休んでいきなさい」
香港の生活で、ふたりだけ「ママ友」ができた。すぐに母親ネットワークに入れてくれた(SNS)。おさがり情報、習い事情報、天気のこと、小児科や歯科の評判、店の閉店情報などなんでも回ってくる。トロントでもあったけど、すさまじい情報量がすごいスピードで流れる。ときどき育児相談もはじまる。心強い。
という感じで今週はこの辺りでお別れです!(たくさん食べてるのが写真などから伝わっていたらうれしいです!いろいろ疲れてるけど、香港はとってもおいしいです!!!)